お役立ちコラム

気圧が低いと歯が痛む原因は?

虫歯

■気圧の変化で体調変化が起こるのはなぜだろう
天気予報でよく耳にする「高気圧」「低気圧」という言葉。これは空気の重みによってかかる圧力という意味で、観測する場所や空気の動き方などによって気圧は変わります。基本的に山の上や空など、高い場所では気圧が低くなります。また、空気は気圧が高いところから低いところへと流れ込みます。台風の中心と周囲の気圧の差が大きいほど、吹く風が強くなるのです。

この気圧の変動は、人間の体にも少なからず影響を与えます。気圧が下がると、体の外側からかかる圧力が減少します。すると気圧に押されていた鼻の粘膜や気管支の内腔(内側の空間)が空気を押し戻すようになります。これによって空気が通りにくくなり、ぜんそくの発作や鼻づまりが起こってしまうのです。また、体にかかる圧力が減ることで全身の血管から少しずつ水が漏れ出してしまい、手足がむくんでしまう人もいます。気圧の変化で体調不良が起こる原因は、体にかかる圧力が減ってしまうことだったのです。では、気圧の変化は歯にどのように影響するのでしょう。

■気圧の変化で歯が痛くなる仕組みは?
気管支に内腔があるように、歯の中にも空洞があります。それは、歯髄(歯の神経)が納められている「歯髄腔」(しずいくう)という場所です。歯髄腔の中の気圧は、普段の生活の中では外部の気圧と同じになるように保たれています。しかし、急激な気圧の変化が起こると歯髄腔の中と外の気圧に変化が生じてしまい、歯髄腔の中から空気が押し出されてしまいます。内側から圧力がかかり、膨張しようとする部分は神経のある場所なので、圧力によって痛みを感じてしまうのです。とはいっても、歯はエナメル質に覆われた頑丈な組織です。虫歯や歯周病などがない健康な歯であれば、気圧が変化しても痛みを感じにくいでしょう。

■気圧の変化で痛くなってしまう歯はどんな歯?
健康な歯であれば、気圧の変化による痛みは感じにくいもの。では、気圧の変化で痛みを感じてしまう歯とは、どんな状態の歯なのでしょう。

・穴が空き始めた虫歯
虫歯は、虫歯菌によって歯のエナメル質が溶かされることによってできます。溶かされ始めた虫歯は、健康な歯よりもほんの少しだけ柔らかくなってしまい、気圧の変化によって痛みを感じてしまいやすくなるのです。

・虫歯の治療のために、詰め物や被せ物をしている歯
虫歯の治療のために、歯に詰め物や被せ物をすることがありますよね。この詰め物や被せ物は、周囲の気圧が低くなると中の空気が膨張し、虫歯から出た腐敗ガスが充満してしまうことがあります。膨張と腐敗ガスによって、治療中の歯は気圧の変化で痛みを感じやすくなるのです。

・慢性歯髄炎を起こしている歯
虫歯が歯髄(歯の神経)まで達し、歯髄がポリープ(腫瘍)となってしまう慢性歯髄炎。歯に空いた穴の中でポリープが肥大し、虫歯の中から見えることもあります。慢性歯髄炎の場合も、歯の空洞の内側で空気が膨張してしまい、痛みを感じてしまうのです。また、慢性歯髄炎を患った歯に気圧の変化を受けると症状が悪化したり、急性の歯髄炎へと悪化したりする可能性があります。

飛行機に乗ったり、スキューバダイビングをしたりして気圧の変化が起こると歯が痛む理由についてご紹介しました。こういった歯の痛みは「気圧性歯痛」や「航空性歯痛」と呼ばれています。空港に歯科が入っているのは、飛行機の操縦士やキャビンアテンダントが歯の治療を行うためなのです。歯の治療中に飛行機に乗るときは、あらかじめかかりつけの医師に鎮痛剤を処方するよう頼んでおきましょう。気圧性歯痛は一度痛み出すと治るまで時間がかかってしまいます。

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