お役立ちコラム

自宅や歯医者でフッ素を塗布して虫歯予防を

虫歯

■フッ素がなぜ虫歯予防になるのか
「虫歯予防にはフッ素」といわれており、ほとんどのオーラルケア製品にフッ素が配合されています。ではなぜ、虫歯予防にはフッ素がいいのかということについてご紹介します。

・フッ素は初期虫歯を改善する
食事をするたびに、カルシウムやリンなどのミネラルが歯から溶け出します。これを脱灰といい、脱灰して溶け出してしまった成分は唾液に含まれる成分によって補充されます。このはたらきを再石灰化といい、脱灰と再石灰化のバランスが崩れてしまうと虫歯になってしまいます。フッ素は再石灰化を助けるはたらきがあり、フッ素に含まれるミネラルが初期虫歯の再石灰化を促進するのです。

・歯を固く強くする
塗布したフッ素は、再石灰化の際に歯の表面のエナメル質と結びつきます。エナメル質とフッ素が結びつくとフルオロアパタイトという固い構造に変化し、歯を固く強くするのです。こうして強くなった歯は脱灰しにくくなり、結果的に虫歯を防いでくれます。

・虫歯菌の活動を抑える
虫歯菌は歯に溜まった歯垢を元に酸を作りだし、歯を溶かしていきます。フッ素塗布は虫歯菌の活動を抑えるはたらきがあり、上で述べた2つの作用と相まって虫歯になりにくい歯になるのです。

■フッ素塗布の仕方
●歯科でフッ素塗布
・トレー法
すでに作られたものか、もしくは個人の歯列に合わせて作られたマウストレーにフッ素の製剤を乗せ、マウストレーを噛ませることでフッ素を歯面に接触させる方法です。4、5分ほどマウストレーを噛んだあとに口をすすぎ、その後30分ほどは飲食を控えることになります。

・綿球・綿棒法
溶解タイプのフッ素を用いて、綿球や綿棒を浸して歯面に塗布する方法です。器具を差し込むのが難しい部分の治療や、小さな子どもが虫歯になった場合のフッ素塗布方法として使われます。

・歯ブラシ法
歯ブラシの先にジェル状のフッ素製剤を付け、歯面全体にフッ素ジェルを塗布する方法です。自宅でもできる方法ですが、まずは歯科医から正しい方法の指導を受けましょう。

どの方法でも、まず最初に歯をクリーニングすることから始まります。歯面に汚れがあっては、フッ素の効果が半減してしまいます。

●自宅でフッ素塗布
・自宅で歯ブラシ法
歯科で正しい方法を指導してもらったら、自宅で実際に歯ブラシ法をやってみましょう。15歳以上の成人は、歯ブラシの先に2センチほどフッ素ジェルを乗せて、通常の歯ブラシと同じような動かし方で歯面にフッ素を塗布します。

・フッ素洗口
ジェルの感触や味が気になるときは、フッ素配合の洗口剤で口をゆすぐといいでしょう。フッ素配合の洗口剤はほとんどが無味無臭でさらっとしているので、ジェルのぬめりが苦手な人でも毎日気軽に行えます。

・トレー法3DS
3DSとは、Dental Drug Delivery System(歯に薬を直接届けるシステム)の頭文字のことです。先にも述べたトレー法では、持ち手の付いたマウストレーを用いました。トレー法3DSでは、1人1人の歯列に合わせて作ったマウスピースに製剤を塗布し、口内に装着することでフッ素を歯面にパックします。毎日の丁寧な歯ブラシと組み合わせることで、虫歯になりにくい効果を少しずつ持続させることもできます。

■フッ素を使うときの注意
フッ素は虫歯予防に良いといわれ、日本ではたくさんの歯科でフッ素による治療が行われています。しかし、フッ素は人間が過剰に摂取すると中毒を起こす危険性があります。ケアのために使ったジェルや溶剤などは、飲み込まずに口の外に出すようにしましょう。フッ素を吐き出さずに飲み込んで、吐き気や腹痛などを感じた場合は急性の中毒の可能性があります。現在、市販されている洗口剤やフッ素ジェルなどでの中毒例の報告はありませんが、歯科医が指導した量以上のフッ素は使用しないようにしましょう。
また、生まれてから8歳までの間にフッ素を継続的に利用すると、歯の表面のエナメル質が濁って見える「斑状歯」(はんじょうし)が発生することがあります。軽微なものは初期の虫歯と区別しにくく、誤って不要な治療を行われる可能性が否めません。しかし、斑状歯は日常生活に支障をもたらすものではなく、それに伴うほかの障害を持つこともありません。

フッ素は虫歯予防に良いものですが、過剰に体内に摂取してはいけません。自分自身の口内環境を歯科医に相談し、どの程度フッ素塗布を行えばいいのかをきちんと把握しましょう。

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